# ネストされたルート

実際のアプリケーションの UI では通常複数のレベルの階層的にネストしたコンポーネントで構成されます。ネストされたコンポーネントの特定の構造に対して URL のセグメントを対応させることはよくあります。例:

/user/foo/profile                     /user/foo/posts
+------------------+                  +-----------------+
| User             |                  | User            |
| +--------------+ |                  | +-------------+ |
| | Profile      | |  +------------>  | | Posts       | |
| |              | |                  | |             | |
| +--------------+ |                  | +-------------+ |
+------------------+                  +-----------------+

vue-router を使えば、これらのネストされたルートの設定を使って関連付けをシンプルに表現することができます。

前の章で作ったアプリケーションを考えてみましょう。

<div id="app">
  <router-view></router-view>
</div>
const User = {
  template: '<div>User {{ $route.params.id }}</div>'
}

const router = new VueRouter({
  routes: [{ path: '/user/:id', component: User }]
})

ここでの <router-view> はトップレベルのアウトレットです。トップレベルのルートによってマッチしたコンポーネントが描画されます。同様に描画されたコンポーネントもまた自身のネストされた <router-view> を持つことができます。User コンポーネントのテンプレート内部に 1 つ追加する例です。

const User = {
  template: `
    <div class="user">
      <h2>User {{ $route.params.id }}</h2>
      <router-view></router-view>
    </div>
  `
}

このネストされたアウトレットに対してコンポーネントを描画するためには、 VueRouter のコンストラクタの設定で children オプションを使用する必要があります。

const router = new VueRouter({
  routes: [
    {
      path: '/user/:id',
      component: User,
      children: [
        {
          // /user/:id/profile がマッチした時に
          // UserProfile は User の <router-view> 内部で描画されます
          path: 'profile',
          component: UserProfile
        },
        {
          // /user/:id/posts がマッチした時に
          // UserPosts は User の <router-view> 内部で描画されます
          path: 'posts',
          component: UserPosts
        }
      ]
    }
  ]
})

/ から始まるネストされたパスは root パスとして扱われることに注意してください。これによってネストされた URL を指定しなくてもコンポーネントをネストすることができます。

children オプションを見るとわかる通り、これは routes 自身と同じようなルート設定オブジェクトの配列です。したがって、ネストしている view を必要なだけ保持することができます。

ここまでの点では、上記の設定で /user/foo に訪れた時に User アウトレット内部で何も描画されません。なぜならば、サブルートにマッチしていないからです。そこに何か描画したい場合は、空のサブルートパスを設定できます。

const router = new VueRouter({
  routes: [
    {
      path: '/user/:id',
      component: User,
      children: [
        // /user/:id がマッチした時に
        // UserHome は User の <router-view> 内部で描画されます
        { path: '', component: UserHome }

        // 他のサブルートも同様に...
      ]
    }
  ]
})

この例の動作デモは こちら (opens new window) です。